改正消費税講座 第5回:経過措置

(1)経過措置の概要

原則として指定日の前日までに締結された契約に基づく資産の譲渡等については、たとえ、その資産の譲渡等が施行日以後に行われた場合でも旧税率を適用する経過措置が設けられています。

(2)経過措置の2段階化

消費税率アップに伴う経過措置の特徴は、税率アップが2段階化(5%⇒8%⇒10%)されることから、経過措置についても2段階化されることです。

・5%税率等に係る経過措置

平成25年10月1日(指定日)前に締結した工事の請負契約等に基づき、施行日以後にその契約に係る課税資産の譲渡等が行われる場合には、その課税資産の譲渡等に係る消費税率は、現行税率(5%)とする等の経過措置を講ずることとされました(改革消費税法附則3~14、17)。

・8%税率等に係る経過措置

平成25年10月1日から平成27年4月1日(指定日)の前日までの間に締結した工事の請負契約等に基づき、平成27年10月1日施行日以後にその契約に係る課税資産の譲渡等が行われる場合には、その課税資産の譲渡等に係る消費税率は、8%とする等の経過措置を講ずることとされました(改革消費税法附則16,17)

税率アップに伴う主要経過措置項目一覧

経過措置 概要
旅客運賃等(改革消費税法附則5①) 旅客運賃、映画・演劇等の入場料につき、施行日前に領収している場合は旧税率を適用
電気、ガス、水道料金等(改革消費税法附則5②) 施行日前から継続して提供されているもので施行日から平成26年4月30日(2段階目は10月31日)までの間の料金は旧税率を適用。
請負に係る契約(改革税消費税法附則5③) 指定日前日までに締結された工事、製造の請負契約に係るものについては旧税率を適用。
資産の貸付に係る契約(改革税消費税法附則5④) 指定日前日までに締結された一定の資産の貸付契約については旧税率を適用。ただし指定日以後に対価を変更した場合には、変更後については新税率を適用
役務提供の予約に係る契約(改革税消費税法附則5⑤) 指定日前日までに締結された役務提供契約で役務提供時期があらかじめ定めることができず、役務提供に先立って対価の一部等が支払われる一定の契約で対価変更ができないものについては旧税率を適用。ただし指定日以後に対価を変更した場合には、新税率を適用。
延払基準適用の長期割賦販売等(改革税消費税法附則6) 施行日前に行った長期割賦販売等で延払基準の適用を受けるものについては施行日以後の賦払金に係る部分についても旧税率を適用。
工事進行基準適用の長期大規模工事請負契約、工事請負契約等(改革税消費税法附則7) 指定日から施行日前日までに締結した長期大規模工事ウケ硫黄契約、工事請負契約につき工事進行基準の適用を受ける場合は、工事着手日から施行日前日までの期間に対応する部分については旧税率を適用
仕入れに係る対価の返還等を受けた場合の仕入れに係る消費税額の控除の特例(改革税消費税法附則9) 施行日前に行った課税仕入れにつき、施行日以後に仕入にかかる対価の返還等を受けた場合には、仕入れに係る消費税額の控除の計算については旧税率により計算する。
納税義務の免除を受けないこととなった場合等の棚卸資産に係る消費税額の調整(改革税消費税法附則10) 納税義務の免除を受けないこととなった事業者が、施行日前に行った課税仕入れに係る棚卸資産等について行う棚卸資産に係る消費税額の調整は旧税率により調整する。
売上に係る対価の返還等をした場合の消費税額の控除(改革税消費税法附則11) 売上に係る対価の返還等をした事業者が、施行日前に行った課税資産の譲渡等につき、施行日以後に売上に係る対価の返還等をした場合には、売上の対価の返還等に係る消費税額の控除は旧税率による。
貸倒れに係る消費税額の控除等(改革税消費税法附則12) 施行日前に行った課税資産の譲渡等に係る売掛金等が貸倒た場合には、貸倒れに係る消費税額の控除は、旧税率による。

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